運用型広告(インターネット広告)の基礎知識

電通グループ4社(CCI/ D2C/電通/電通デジタル)が発表した「2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によると、2021年の運用型広告の広告費用は1兆8,382億円であり、前年対比で126.3%と増加しています。

自社商品やサービスの認知拡大、利用促進、売上の拡大施策等、活用用途は多岐にわたる運用型広告。

この記事をご覧いただいている方の中には、これから運用型広告をはじめようとしている方も多いのではないでしょうか。また、既に活用はしているものの、これから更に注力していくために理解を深めようとしている方もいらっしゃるかと思います。

今回は、そのような方に向けて、運用型広告とはどういったものなのか、なぜ活用されているのかといったことをまとめていきたいと思います。

運用型広告とはどういうものなのか、運用型広告には色々な種類があるけど、どれがいいのかわからないといったような方には参考になる内容かと思いますので、ぜひご覧くださいませ。

【目次】

  1. 運用型広告とは
  2. 運用型広告の特徴
    • 低い予算でも実施することができる
    • 調整を容易に行うことができる
    • データが蓄積されていく
  3. 運用型広告が活用される理由
    • 幅広い段階のユーザーへアプローチが可能
    • ターゲティング機能がある
    • 費用対効果を向上させやすい
  4. 運用型広告の種類
    • リスティング広告
    • ディスプレイ広告
    • SNS広告
    • DSP広告
    • 動画広告
  5. 運用型広告を運用するときに考えたい2つの運用方法
    • 自社で運用を行う
    • 代理店へ運用を依頼する
  6. まとめ

1.運用型広告とは

運用型広告とは、入札単価、広告掲載枠、配信ターゲット、広告クリエイティブ(広告文や画像等)を調整しながら出稿するインターネット広告です。

前もって広告掲載枠を購入し、インプレッション(表示回数)等が保証されている純広告とは異なり、調整によって配信内容を変更することができるため、比較的柔軟性が高いインターネット広告となります。

2.運用型広告の特徴

運用型広告は、純広告と比較して柔軟性が高いというだけでなく、他にもいくつか特徴があります。

主な特徴として、低い予算でも実施することができる、調整を容易に行うことができる、データが蓄積されていくといった特徴があげられます。

◆低い予算でも実施することができる

運用型広告の特徴の1つ目は、低い予算でも実施することができるという点です。

運用型広告は、低い予算でも実施することができます。その理由として、運用型広告には、純広告によくある最低出稿金額がない媒体がほとんどであり、たいていの場合、1,000円程度から出稿することが可能です。

ここで、運用型広告の料金体系についてもあわせて説明していきます。

運用型広告の料金体系は、課金制となっています。この課金制には2種類あり、1つ目はクリック課金制(Cost Per Click)、2つ目はインプレッション課金制(Cost Per Mille)です。

1つ目のクリック課金制は、広告がクリックされる毎に料金がかかる仕組みとなっています。そのため、広告が何回表示されたのかは関係なく、広告が何回クリックされたのかで料金が変わってきます。

反対に2つ目のインプレッション課金制は、広告がクリックされた回数は関係なく、1,000回表示される毎に料金がかかる仕組みとなっています。

⇒クリック課金制のクリック単価の決まり方はコチラをご覧ください

リスティング広告のクリック単価(CPC)はどう決まっているの?

◆調整を容易に行うことができる

運用型広告の特徴の2つ目は、調整を容易に行うことができるという点です。

運用型広告とは?の部分でも述べましたが、運用型広告は、入札単価、配信ターゲット、広告クリエイティブを調整しながら出稿するインターネット広告です。

他社の広告よりも掲載順位が低ければ、入札単価をあげて掲載順位をあげるといったことや若年層よりも高齢層のユーザーに広告を配信したければ、高齢層へ配信ができる設定を行うといったことも容易に行うことができます。

また、広告の配信開始や配信停止、配信再開といった出稿自体をどうするのかといった調整も自らで行うことができ、その反映も即時にされるため、そのような点でも自分が行いたい調整を行いやすいです。

調整を行いやすいことで、広告の成果を改善していくことが可能となっており、この部分が運用型広告と呼ばれる所以でもあります。

実際に広告の配信を開始した際に、どのキーワードでクリックが多く出ているか(広告流入が促せているか)、どの広告文でコンバージョンがあがっているのかといったような結果がリアルタイムで確認することができます。なかなか広告流入を促せないようであれば入札単価をあげる、新しいキーワードを追加するといったことや、コンバージョンがあがらずコストだけがかかってしまっているような広告文があれば、その広告文を修正する等、そのときどきの成果に応じて柔軟に調整を行うことができるというのが運用型広告の特徴としてあげられます。

◆データが蓄積されていく

運用型広告の特徴の3つ目は、データが蓄積されていく点です。

雑誌や新聞といった紙面の広告媒体や街頭広告では、広告を出稿したことでどのくらいのユーザーがその広告を見て、その広告を見た後でどのような行動をしたのかといったことはわかりません。

運用型広告では、広告が何回表示されたのか、その広告が何回クリックされどのくらいのユーザーが流入したのか、そしてその広告へ流入したユーザーのうち、どのくらいの人がコンバージョンに至ったのかといったことがわかります。

このデータは、常に蓄積されていき、時間単位、曜日別、日単位、週単位、月単位のようにいくつかの軸で確認することが可能です。

このようなデータが蓄積されていくことにより、そのデータを分析することも可能となります。

データの分析が行えることで、その商品やサービスに適した配信方法を考えることができ、限られた予算内で効果的な部分に集中して広告配信を行うこともできるようになります。

⇒WEB広告に関する分析はこちらもご覧ください

【分析方法概論】ウェブマーケティングはどのように分析していけばいいの?

例えば、BtoC向けの商品・サービスとBtoB向けの商品・サービスでは、広告の成果が異なる傾向があります。

BtoCのような個人をターゲットとしている商品やサービスの場合、時間帯でいえばお昼時と夜にコンバージョンに至りやすい傾向があり、曜日でいうと土日にコンバージョンに至りやすい。

BtoBのような企業をターゲットとしている商品やサービスの場合、時間帯でいえば、就業時間であると考えられる日中から夕方頃までにコンバージョンに至りやすく、曜日でいうと平日にコンバージョンに至りやすい。

このような傾向がデータを分析することでわかるようになり、このような傾向がわかれば、BtoC向けの広告配信であれば、土日に配信量を増加させられるような調整を行う、BtoB向けの広告配信であれば、平日に配信量を増加させられるような調整を行うといったように、効果的な運用を行うための方向性も決めていくことができます。

短期的な分析は上記のように役立てることができますが、このデータは中長期的にも蓄積されていきます。

例えば、運用型広告を開始し、しばらく時間が経った際、当初より成果が落ちてきてしまったというような場合には、成果の良かった期間と比べ、どういう変化があったのかといったような分析を行い、成果悪化の要因を見つけることができれば、効果改善を行うことも可能です。

3.運用型広告が活用される理由

運用型広告の広告費用は拡大傾向にありますが、なぜ、運用型広告は活用されるのでしょうか。

ここでは、運用型広告が活用される理由として考えられることを3つ、紹介していきます。

◆幅広い段階のユーザーへアプローチが可能

ここでいう、幅広い段階というのは、購買行動モデルの段階を意味しています。

WEBマーケティング上で活用される購買行動モデルの中で代表的なものにAISASモデルがありますが、これによると1人の消費者が商品を認知してから購入に至るまでには、Attention(注意)、Interest(関心)、Search(検索)、Action(購買)、Share(情報共有)といったプロセスを経るとされています。

広告の主な役割として、より多くの人の目に留まるところへ広告を打ち、自社の商品やサービスの利用を促すといったように認知を促すということがあげられます。

運用型広告では、配信する媒体や配信メニューにより、注意から購買に至るそれぞれの段階へ広告を配信することが可能です。

自社の商品やサービスがまだ認知されていない場合には、注意段階へ認知を目的にした広告配信を得意としている広告媒体を活用して広告配信を行う、商品やサービスの利用を促したい場合には、関心・検索段階への広告配信を得意としている広告媒体を活用して広告配信を行うといったように、目的に沿った広告配信を行いやすいという点が、運用型広告が活用される理由の1つとしてあげられるでしょう。

商品やサービスの利用を促したい場合には、関心・検討段階へのユーザーに対して広告配信を行うことができるため、短期的に成果を出したいといった場合には、運用型広告は有効な手法の1つになり得るでしょう。

◆ターゲティング機能がある

ターゲティング機能があるというのも運用型広告が活用される理由の1つといえます。

購買行動モデルのそれぞれの段階に対して広告配信を行えることに加え、広告を配信したいユーザーをターゲティングすることも可能です。

運用型広告では、検索キーワード、年齢、性別、地域といった様々な要素で配信条件を設定することが可能となっております。

例えば、女性用コスメ用品の販売を行いたいという場合には、女性という条件で配信を設定してあげることにより、より効率的に広告運用を行うことができます。

また、同じ女性用コスメ用品の中でも30代に向けた商品、40代に向けた商品のようにそれぞれの年代をターゲティングして配信することで効率的に配信できるようなケースもあります。このような場合も性別×年齢という条件でターゲティングを行うことが可能です。

このように狙いたいターゲットにあわせて広告配信を行えるという点も運用型広告が活用される理由といえます。

⇒ターゲティングの種類をより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください

Web広告/Web広告の効果が高いのはターゲティングができるから

◆費用対効果を向上させやすい

運用型広告はデータが蓄積されていくという特徴があります。

このデータは、広告媒体はもちろん、ターゲティングの要素であった年齢、性別、地域毎といった粒度でデータを見ることができます。

そのため、実際に配信を行った結果、どの部分でコンバージョンがよく出ているのか、反対にどの部分でコンバージョンが出ず、コストだけかかってしまっているのかといったことを把握できます。

このような傾向が見えてくれば、コンバージョンが出ている部分に関しては、更に予算を投下しコンバージョン数を積み上げていくといったことも可能ですし、コンバージョンが出ていない部分に関しては、改善策を講じ成果をあげていくといったことも可能となります。

チラシや街頭の広告に比べるとデータとして傾向が把握しやすいため、費用対効果を向上させやすいといえます。このような点も運用型広告が活用される理由といえるでしょう。

4.運用型広告の種類

運用型広告といっても種類は様々です。

広告を配信したいと考えているユーザーやプロモーションを行いたい商品やサービスによって、適した広告媒体は異なります。適した広告媒体を選選定することで効果的な広告運用を行うことができます。

ここでは、よく活用される運用型広告を紹介していきます。

◆リスティング広告

リスティング広告といえば、検索連動型広告とも呼ばれ、ユーザーが検索した検索語句に連動して掲載されるインターネット広告です。

リスティング広告の代表的な広告媒体にYahoo広告(Yahooスポンサードサーチ)、Google広告(GoogleAdwords)があります。

⇒リスティング広告についての情報をお求めならこちらもご覧ください

気を付けて!リスティング広告の活用方法に関するよくある誤解

リスティング広告は、ユーザーが検索した語句に連動して掲載される広告であるため、商品やサービスを利用しやすいユーザーに対して広告配信を行えるという特徴があります。

検索は、ユーザーが何かしらの情報を求めているときに行う行動です。

例えば、ダイエットサプリメントを販売したいと考えた場合に、どのようなユーザーに配信すれば売れやすいかといえば、それはおそらく「ダイエット 方法」や「ダイエット サプリ」のように検索するユーザーに対して広告配信を行うことができれば、売れやすいであろうことは想像しやすいかと思います。

このようにリスティング広告は、ニーズが顕在化しているユーザーに対しての広告配信を得意としているため、商品やサービスの利用を促したい、短期的に成果を出したいという場合には、リスティング広告を検討するのが良いでしょう。

しかし、このようなリスティング広告にも向いていない商品やサービスがあります。

リスティング広告にも向いていないものとして、下記のものがあげられます。

  • ・単価が低いもの
  • ・類似商品が多く、優位性がないもの

まず1つ目の単価が低いものに関しては、利益を出しづらいという観点で向いていません。

運用型広告の料金体系は課金制であるということは既に述べましたが、リスティング広告の課金形態はクリック課金制(CPC)になります。

単価が低いもの、例えば2,000円の商品を販売するとした場合、1,000円の利益を出すには、広告費用が1,000円以内にコンバージョンを獲得しなくてはならないことになります。

そのような場合、1回のクリックにかかる料金が100円だった場合、10クリック以内に獲得できなければ1,000円の利益を取ることができません。

10クリック以内で1つ商品を獲得とするとその確率(コンバージョン率)は10%以上となります。

この10%という数字は非常に高い数字であり、現実的な数値とはいえません。

このような理由から、単価が低いものをリスティング広告で配信し、利益を上げていくということに関しては、向いていないといえます。

しかし、拡大期であるため、シェアを拡大させていきたい、販売数を稼いでいきたいというような場合には成果が見込めるため、自社の状況に応じて判断していくとよいでしょう。

2つ目の類似商品が多く、優位性が全く訴求できないものに関してですが、こちらはリスティング広告の特性上相性が悪いといえます。

リスティング広告は、一度に複数の広告が掲載されます。これらのほとんどは、競合他社の広告のケースが多いです。つまり、ユーザーからするとその場で比較ができてしまうことになります。このようなことから、自社の商品やサービスに全くの優位性がない場合は、競合他社の広告へ流れていってしまい、自社の広告成果が下がっていってしまうということも十分にあり得ます。

そのため、類似商品が多く、優位性が全く訴求できないものに関しては、リスティング広告で配信をするには相性が悪いといえます。 

◆ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、画像を活用したインターネット広告です。

画像のみの掲載となるか、テキスト+画像の掲載となるかは、広告媒体や掲載フォーマットによって変わりますが、いずれにも画像が活用されるケースが一般的です。

やはり、ディスプレイ広告なので、画像が重要な要素になってきます。

テキストのみで訴求するリスティング広告に比べ、画像を活用する分ユーザーに与えられる情報量は多くなります。

リスティング広告は文字だけで入稿・配信が行えますが、ディスプレイ広告を配信する際には、画像を作成する必要があります。この画像を作成する際には、どのような目的でディスプレイ広告を配信するのか、どういったターゲットに対して配信を行いたいのかいった設計をしっかり行ったうえで画像を作成することで、ユーザーに対して与えられる情報量の増加といった利点をより活かせるようになります。

⇒ディスプレイ広告で成果をあげていくために重要な要素はこちら

バナー広告で効果を上げていきたい方必見!ABテストのポイントとクリエイティブの改善方法

社内に制作するためのリソースが整っていない場合、外注する必要が生じ、コストもかかってしまうため、リスティング広告のみ行う広告主様もいらっしゃいますが、リスティング広告とは異なる広告掲載面へ表示されることもあり、より多くのユーザーに対して広告配信を行いたいと考えた場合には、画像を作成し、ディスプレイ広告も同時に配信してあげると効果的です。

画像を活用するディスプレイ広告といえばYDA(Yahoo!広告 ディスプレイ広告運用型)やGDN(GoogleDisplayNetwork)が一般的とされておりますが、広義ではSNS広告やDSP広告もディスプレイ広告に当てはまるといえます。

◆SNS広告

SNS広告は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のプラットフォームに配信できるインターネット広告です。基本的には画像を用いた掲載がメインとなりますが、動画素材を活用して広告掲載される事例もあります。

SNS広告でよく活用されるプラットフォームには、Facebook・Instagram、LINE、Twitterがあげられます。

⇒各SNS広告媒体の特徴についてはこちらをご覧ください

今からでも遅くない、Facebook広告・Instagram広告

LINE広告/LINE広告の特徴や活用方法

Twitter広告/Twitter広告の特徴や活用方法

SNS広告の利点としては、拡散能力が高いということであるといえます。

SNSは、いいね!やシェアといったエンゲージメントといわれるものがあります。そして、このエンゲージメントを行うとそのエンゲージメントしたユーザーをフォローしているユーザーに対しても同じ内容が共有されることになります。

媒体によっては、この拡散された部分には広告費用が掛からないといった媒体もあります。そのため、広告文や画像により、多くのユーザーのエンゲージメントを誘引することができれば、広告費用を抑えながら多くのユーザーに広告を配信することが可能となります。

ICT総研の「2022年度SNS利用動向に関する調査(https://ictr.co.jp/report/20220517-2.html)」によると、日本のSNS利用者は8,270万人(普及率82%)であり、2024年には8,388万人へ拡大する見込みです。

SNSは多くのユーザーが利用しているということもあり、それだけ多くのユーザーに広告を配信することが可能です。

潜在層のユーザーに広告を配信したい、リスティング広告以外に新しい配信手法を探しているといった場合には検討したい運用型広告の1つといえます。

◆DSP広告

DSP広告とは、ディスプレイ広告の1種です。

DSPとは、Demand-Side Platformの略称です。Demand-Side Platformは、広告配信をしたい側のプラットフォームと説明されることが多いですが、これは、広告主の狙ったターゲットが多くいるメディアの広告掲載枠に配信することができるディスプレイ広告という意味であり、費用対効果を高めたい広告主のためのプラットフォームといえます。

DSPの他に、SSPという単語が出てくることがあります。これは、Supply Side Platformの略称であり、広告掲載枠を提供しているメディア側のプラットフォームのことを指します。

DSP広告は、このSSPと連携をとることで広告主が配信したいターゲットに対して配信を行うことができるようになっています。

DSP広告の利点は、メディアのユーザー情報をもとに広告配信を行うことができる点であるといえます。

メディアのユーザー情報とは、性別・年齢・嗜好性・行動履歴等がこれに含まれます。このような情報をもとに配信を行うことができるとどのようなメリットがあるかというと、自社の商品やサービスに関連性のあるユーザー、興味関心の高いユーザーに対して広告配信を行うことができるということです。関連性のあるユーザー、興味関心の高いユーザーに広告を配信することができれば、コンバージョンに至る可能性も高くなりますので、費用対効果も高めやすくなります。

しかし、DSP広告の検討を行う際には注意しなければならない点もあります。

それは、最低出稿金額がある媒体が多いという点と、リスティング広告等に比べ柔軟性が欠けるという点です。

運用型広告は、低い予算でも実施することができるという特徴がありましたが、DSP広告の場合は、最低出稿金額がある媒体が多いため、当てはまらないケースがほとんどです。金額は媒体毎によって異なりますが、ほとんどは数十万円から利用可能なケースが多いです。費用対効果をあげやすいという点は大きなメリットになりえますが、その点には注意が必要です。

また、リスティング広告等に比べて柔軟性に欠ける点も注意が必要です。         

リスティング広告等は、入札単価の調整や広告文の調整のための入稿等は行いたいときに行うことができ、即時反映されますが、DSP広告の場合、入稿回数に制限がある媒体があったりするため、細かく調整を入れていきたい、検証を細かく行っていきたいという場合には、そのようなことが可能な媒体を選定したうえで実施するようにする必要があります。

◆動画広告

動画広告は、動画を活用したインターネット広告です。

思い浮かべやすいところでYouTubeに配信されるYouTube広告がありますが、動画を活用した広告フォーマットは、先に紹介したディスプレイ広告媒体(SNS広告等)にもあり、YouTube広告に限りません。

動画広告の良いところはやはり、ユーザーに与えられる情報量の多さです。

動画は、文字と比べると5,000倍もの情報を伝えることができると言われており、1分間の動画から伝わる情報量は、文字に換算すると180万語になるともいわれております。

広告を配信してもユーザーに関心を持ってもらえず、広告に流入してもらうことができなければ、自社の商品やサービスをよく知ってもらうことは難しいです。

その点、動画を活用することでテキストや画像よりもユーザーの関心を引きやすくなり、リスティング広告やディスプレイ広告で流入を促せなかったユーザーの流入も期待できるようになります。

しっかり説明すれば伝わるものの、100文字程度の文字だけでは伝えきれない魅力を持っている商品やサービスで運用型広告を配信する場合は、動画広告を検討してみるのもよいでしょう。

⇒YouTube広告の特徴についてはこちらをご覧ください

YouTube動画広告を活用して、潜在層へのアプローチを強化

5.運用型広告を運用するときに考えたい2つの運用方法

運用型広告を運用するときには考えたいこととして、自社で運用を行うのか、代理店へ運用を依頼するのかといったことがあげられます。

どちらもメリット・デメリットがあるため、それぞれ自社の状況にあわせた方法を採用すると良いでしょう。

それでは、それぞれのメリット・デメリットを説明していきます。

◆自社で運用を行う

1つ目のやり方は、自社で運用を行う方法です。

運用型広告は、代理店を通じなくても運用を行うことが可能です。

アカウントの開設や配信するターゲットの設定、広告文の入稿といった作業は全て自分たちで行う必要があるため、時間や人的リソースはかかってしまうものの、手数料といったコストをかけることなく広告配信を行うことができます。

また、広告運用のノウハウが社内に蓄積されていくのも大きなポイントといえるでしょう。

代理店に広告運用の依頼をする場合、代理店によっては、どのような設定で広告配信を行っているのか、どのような調整を行い効果改善に取り組んでいるのかといった情報がブラックボックス化してしまっており、社内に知識やノウハウが蓄積されないケースも珍しくありません。

自社で運用を行っていれば、過去にどのような調整・取り組みをしたのか、どのようなことが成果に影響したのかといったことが社内に蓄積されていくため、新しい商品・サービスで広告配信を行いたいと考えた場合に、その情報を活用することができ、効率的な広告運用を行うことができるでしょう。

そのようなメリットがある一方で、自社に運用型広告を取り扱ったことのある人材がいない場合には、短期的に成果を出すのが難しいケースも多く、費用対効果が高まっていくまでに時間を要してしまうというデメリットもあります。

◆代理店へ運用を依頼する

2つ目のやり方は、代理店へ運用を依頼する方法です。

運用型広告を取り使ったことのある人材がおらず、自社で運用を行うことが難しい場合や、短期的にしっかりと成果を出していきたいといった場合には代理店へ運用を依頼するほうがよいでしょう。

⇒運用型広告代理店を選ぶ際に注意したいことをこちらにまとめました

リスティング広告/運用型広告代理店を選ぶ際に注意したいこと

運用型広告は、配信を開始し、放っておくだけではなかなか成果を出すことが難しいケースが多いです。

運用型広告と呼ばれる所以でもありますが、しっかりと運用を行っていくことにより費用対効果を高めていくことができるため、短期的に成果をあげたいという場合には、運用ノウハウを持っている代理店へ運用を依頼することで、その可能性をあげることができます。

このように自社に広告運用を行うリソースがなくても運用型広告を導入できることや短期的に成果を出しやすいため、費用対効果を高めやすいといったメリットはありますが、代理店へ運用を依頼するデメリットとしては、広告配信費用以外に手数料がかかるため、コストが嵩むということと、自社にノウハウが蓄積されていかないということがあげられます。

手数料がかかってしまうということに関しては、依頼した代理店がしっかりと運用を行い、成果を出していればデメリットにはならないかもしれません。

代理店へ運用を依頼している中で成果があがらないということであれば、それは手数料分無駄にコストがかかってしまうということになるため、自社運用に切り替えることや他の代理店へ切り替えを行うといったことを検討したほうがよいでしょう。

自社にノウハウが蓄積されて行かないというデメリットも、代理店によってはアカウント内の状態を見せてくれる代理店も存在するため、そのような代理店に依頼することができれば防ぐことが可能です。代理店へ運用を依頼することを検討する場合には、このようなことも注意して代理店を選ぶとよいでしょう。

6.まとめ

運用型広告の基礎知識をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

運用型広告は、低予算から実施することができ、しっかりと運用を行うことができれば短期的に成果を出すことも可能な広告です。

新しい集客方法を探している、オフラインの営業よりも多くの見込み顧客に対してアプローチしたい等のお考えであれば、有効な手法であるといえますので、検討してみるとよいでしょう。