リスティング広告でビッグワードをどう攻略するべきかという問題

皆さんは、リスティング広告を運用する際に、《ビッグワード》への対策をどのようにされていますでしょうか。

リスティング広告に携わったことのある方ですと、《ビッグワード》と《スモールワード》というような言葉を聞いたことがあるかと思います。
※その間のキーワードは《ミドルワード》と呼ばれる場合もあります。

ある担当者は、
「ビッグワードなので、このキーワードは注力しましょう」と言い
またある担当者は、
「ビッグワードは避けて、スモールワードに注力しましょう」と言い、

ビッグワードの扱いは、業界やビジネスモデルにより考え方が異なるといえます。結局のところ、

「ビッグワードってどこまでがビッグワードなんだ・・・」
「ビックワードとスモールワードはどちらに注力すればよいのだろう・・・」
「リスティング広告とSEO対策をどのように連携して考えればいいかわからない・・・」

このように悩まされている方も多いことかと思います。
そんな時は、まず自社のウェブマーケティングにとってビックワードがどのようなものかを知るところから始めてみましょう。本来、《ビックワード》もしくは《スモールワード》をどう扱うべきか、という問題は、リスティング広告だけ問題ではなく、ウェブマーケティング上のキーワード戦略を考えていくうえで非常に重要な要素といえます。是非参考にしていただければと思います。

【目次】

  1. ビックワード、スモールワードとは
  2. SEO対策が難しい場合は、リスティング広告を活用すべき
  3. ビッグワードをリスティング広告で配信するメリット
    • 表示機会を増やす
    • ウェブサイトの流入数が増えPDCAが進む
    • ビッグワードの注意点
  4. リスティング広告でビッグワードをコントロールするためには
    • 完全一致のマッチタイプでキーワード登録する
    • ビッグワードを含まない広告グループに除外キーワードとして登録する
  5. まとめ

①ビックワード、スモールワードとは

ビッグワードとは、検索エンジン上で検索の多いキーワードのことです。逆に、スモールワードとは、検索数のあまり多くないキーワードのことです。これらのキーワードには、検索数が月間○○以上というような、明確な定義があるわけではありません。また、キーワードを構成している単語の数にも決まりはありません。ビッグワードには単語1ワードの単ワードが多いですが、中には、2語、3語からなる複合キーワードでも、検索数の多いキーワードも存在しています。

このように、《ビッグワード》と《スモールワード》の間には、明確な定義がありませんので、業界やビジネスモデルと照らし合わせながら、検索数や流入数を相対的に見て判断していく必要があるでしょう。

②SEO対策が難しい場合は、リスティング広告を活用すべき

ビッグワードの場合、ユーザーの検索数が多いため、当然のことながら競合他社もそのビッグワードを狙ってSEO対策をしてきます。その為ビッグワードでは、なかなかSEO対策で効果を出しづらいのが現状です。

SEO対策では効果が出るまでに数カ月単位の時間がかかってしまいますが、リスティング広告であればそのような、ビッグワードであってもすぐに広告を出稿することが出来ます。SEO対策でなかなか効果の出しにくいビッグワードでは、リスティング広告を有効に組み合わせることで、ウェブマーケティング全体のキーワード戦略を効率的にすることが出来ます。

③ビッグワードをリスティング広告で配信するメリット

リスティング広告で、ビッグワードを配信する場合のメリットには下記のようなものがあります。

◆検索数が多いので広告の表示機会を増やすことが出来る

リスティング広告では、ユーザーにキーワードを検索してもらえなければ広告を配信することはできません。
ビックワードでは、ユーザーの検索数が多くなりますので、広告の表示回数も多くなります。

また、企業名やブランド名を認知していないユーザーの場合、特定の指名系キーワードで検索することが出来ませんので、1単語や2語から成る簡単なビッグワードで検索する傾向があります。その為、ビッグワードでリスティング広告を掲載することで、まだ個々のブランドについて認知をしていないユーザーに対してのアプローチをすることが出来ます。

◆ビッグワードからの流入数を増やすことで、サイト内のPDCAが進めやすくな

ウェブサイトは開設してもユーザーに見てもらわなければ意味がありません。

スモールワードしか配信していない場合、検索数が少ないので、当然そこからサイトへ流入してくるユーザーの数も少なくなります。スモールワードでは、月に数クリックしか発生しないものもあり、このようなスモールキーワードだけにウェブサイトへの集客を頼っているとデータの蓄積に時間がかかってしまう場合があります。

一方で、ビックワードでは、検索数が多いので、当然のことながら広告がクリックされ、ユーザーがサイトへ流入してくることが多くなります。訪問するユーザー数が増えることで、サイトの問題点も発見しやすくなり、PDCAをスピーディーに進めることが出来ます。

◆ビッグワードを配信する場合の注意点

・予算の消化ペースが速いので配信量に注意する

ビックワードでは、ユーザーの検索数が多いため、スモールワードの広告に比べ広告をクリックされる機会が多くなります。その為、強めに入札をしていると、すぐに1日の予算に達してしまう場合があります。1日の予算に達してしまうと、その日はそれ以上広告を表示することが出来なくなってしまいますので、クリック数の多いビックワードは予算の消化状況をみながら配信をコントロールする必要があります。

・検索語句に掛け合わせキーワードがないのでユーザーの検索意図が読みづらい

ビックワードでは掛け合わせのキーワードを持たない1語の場合が多く、なかなかユーザーの検索意図が見えづらいものが多くあります。
例えば、

[大田区 不動産]

このようなキーワードでは、不動産を売りたいのか、買いたいのか、もしくは賃貸で探しているため不動産業者を探しているのか分かりません。

この様に、ユーザーの意図を反映している掛け合わせキーワードがないビッグワードでは、リスティング広告を掲載すると、サービスとは無関係なユーザーを呼び込んでしまう可能性もあります。

配信をしてみて、あまりにも関連性が低いと判断される場合は、広告をクリックされると無駄な費用になってしまいますので、除外キーワードとして登録してしまっても良いでしょう

④リスティング広告でビッグワードをコントロールするためには

上でも触れましたが、リスティング広告でビッグワードを配信する際はしっかりとコントロールして配信する必要があります。

ビッグワードを配信すると、他のキーワードに比べ検索ボリュームが圧倒的に多いので、適切にコントロールをしないと、広告予算の大半をビッグワードで消化してしまい、他のキーワードが効果的に広告配信できないということになってしまいます。

ビッグワードをコントロールするには、マッチタイプ(完全一致)除外キーワードを組み合わせて運用することで、効率的に調整することが出来ます。

◆完全一致のマッチタイプでキーワード登録する

ビッグワードの配信量をコントロールするためには、狙い撃ちしたいビッグワードを完全一致のマッチタイプで登録しておく必要があります。部分一致で登録してしまうと、狙いたいビッグワードだけでなく、そのキーワードに関連したキーワードにまで配信を拡張してしまいますので、結果として検索数の少ないスモールワードに対しても配信してしまい、狙いたいビッグワードそのものの効果が可視化できなくなってしまいます。その為、ビッグワードを配信する際は完全一致のマッチタイプで登録するようにしましょう。

また、完全一致のマッチタイプで登録し、個別に入札単価を設定することで、広告の掲載順位もコントロールすることが出来るようになります。クリック数が多くて1日の予算に達してしまう場合は、入札単価を抑え、広告の掲載順位を下げることで、広告の1日の配信量をコントロールすることが出来ます。

⇒完全一致のマッチタイプについてもっと知りたい方はコチラを参照ください。
リスティング広告は運用の上級者ほど、《完全一致》の使い方が上手い

◆ビッグワードを含まない広告グループに除外キーワードとして登録する

少し、上級者向けのテクニックにはなってしまいますが、ビッグワードを配信する場合、ビッグワードを含んでいない広告グループにはそのビッグワードを除外キーワードとして登録しましょう。

除外キーワードとして登録しておかないと、他のキーワードの部分一致などで狙いたいビッグワードに広告が配信されてしまい、せっかく完全一致のマッチタイプで登録していたとしても、その完全一致のキーワードで広告配信がされないということになってしまう可能性があります。このような事態をできるだけ抑えて、ビックワードの効果を可視化するために、ビッグワードで出したくない広告グループに対しては、除外キーワードとして登録しておくようにしておきましょう。

⇒キーワードの除外についてもっと知りたい方はコチラを参照ください。
リスティング広告の除外キーワードは何を設定すればいいの?

⑤まとめ

いかがでしょうか。

ビッグワードとスモールワードは明確な定義を持っているものではありません。その為、業種やビジネスモデルによって、ビッグワードやスモールワードの線引きは変わってきます。

ウェブマーケティング全体で、キーワード戦略を考えていく際は、ビッグワードやスモールワードという言葉の定義にとらわれず、流入数の多いキーワードをどのように扱うべきかという視点が重要です。

SEO対策でなかなか効果が出ないキーワードであれば、リスティング広告を活用することで、狙ったキーワード検索に対して有効に表示機会を得ることが出来るようになります。

ビッグワードからの流入を有効に活用していくことで、ウェブマーケティング全体の効果を高めることが出来るでしょう。

もし、リスティング広告の運用で不安な点がありましたら、お気軽にご相談ください。